病院 働く

取ってて良かった医療事務の資格

就職氷河期といわれていた2000年頃に、丁度大学4年生を迎え就職活動に取り組みました。
100社近くトータルで受けたでしょうか?
最初の希望は商社OLでした。
今思えば身の程知らずもいいところで、単に英文科だったことから英語が使える仕事も格好いいかもという理由だけで希望したのです。
何社受けても撃沈で、そのうち自分の希望の業界などと言っている場合ではなくなってきました。

 

結局内定が戴けたのは、保険会社です。
保険会社というと聞こえはそこまで悪くないかもしれないですが、仕事内容は保険レディー、いわゆる保険の勧誘の仕事です。
それでも、働くしかないと入社を決めました。
それが大学4年の7月です。

 

不本意なところへの就職となり、心配した私の母親の勧めもあって、就職先は一応決まったけれど念のために医療事務の資格も取りに行くことになりました。
大学4年生の夏〜秋にかけて集中的にスクールに通い勉強しました。
基本的な用語や簡単な患者様との応対も学びましたが、メインは当然レセプト業務。
現場はパソコンが主流とは聞きましたが、授業では紙にひとつひとつ書いて計算していく方式のものでした。
これが、思っていたよりずいぶん難しく、途中くじけそうになりましたが高いお金を払っているからと踏ん張って、一発合格で医療事務の資格を取りました。

 

その後、医療事務の資格は取ったものの活用することなく、就職活動で内定を戴いた保険会社へ新卒として就職しましたが、やはり営業の仕事は全く向いておらず3か月で退職。
再度荒波に放り出されるような形になり、ハローワークを訪れました。
ハローワークでは特別、医療事務に焦点を当てて仕事探しはしませんでした。
前職で失敗したこともあって、とにかく営業やノルマのある仕事だけは嫌だと思い、それだけを避けて選びました。
偶然、自宅から近くの中堅規模の病院で医療事務の募集が出ていたので、一か八かで採用試験を受けてみることにしました。
募集要項には経験者優遇とあったので、資格はとったものの、その後現場で働いていない初心者の私は採用難しいかなとも思いましたが、ハローワークのスタッフさんの後押しも有って受けてみることになりました。

 

面接では、前職は向いて無くてすぐにやめてしまったけれど、本来は根性がありすぐに投げ出すような性格ではないこと、もう一度心機一転頑張ろうと思っていることなどを丁寧にお話し、また病院の事務長や医事課長も熱心に聞いていただきました。
結果は、無事に採用。
未経験者ではあるが持っている資格が良いこと、年齢が若かったことや求人は急募であったけど他に経験者の応募がなかったこと、頑張りたいという私の熱意を買われての採用となったそうです。
これは就職難民になっていた私にとっては本当にありがたいことでした。

 

私が取っていた資格は、診療報酬請求事務能力認定試験。
医療事務の試験の中では一番難しいって言われているけど、気を引き締めてがっつり勉強すれば合格は普通にできます。
どんな試験も同じだと思いますが、何度も落ちている人は恐らく真面目に勉強していないのでしょう。
私はスクールに通いましたが、ネットで検索してみるとテキストを買って独学で合格した人もいるみたいです。
費用も安く済みそうですし、気になるようでしたら「診療報酬請求事務能力認定試験 独学」って検索してみて下さい。
色々と合格法が出てくるので参考になると思いますよ。

 

働き始めて、最初はすぐにレセプト業務や計算業務には入らずに、受付業務からのスタートとなりました。
受付業務とは、来られた患者様が最初に話す、病院の顔のようなポジションです。
まず診察券や保険証の預かり、保険証は1枚コピーを戴きすぐにお返しする。
当院が初めての患者さまには、問診票の記入をお願いする。
記入が難しい場合は聞き取りをして代筆。
そして、各診察場もしくは検査室までのご案内など、仕事は山のようにありました。
とにかく新しい職場が毎日新鮮で、若い脳はいろんなことを吸収できました。

 

受付業務を半年ほどやり、慣れてきたころにレセプト業務を始めました。
医療事務の資格を取る時に勉強した方法とはまるで違っていて、やはりほとんどがパソコンでの入力で、手計算ではありませんでした。
この薬が3日間1日3錠というのを入力すると、すぐに薬価が出てくるので作業もすごく早いし、簡単です。
しかし、手計算や紙の上でレセプトをした経験が無駄になっているかというとそれは全く違っていて、あの経験がすべてのベースになっていて、だからこそ今パソコンで入力することが楽と感じるのだと思いました。
やはり資格を取るために、集中してスクールに行き学んでいないと、いきなりパソコン作業をしても意味が分からなかったと思います。

 

その後、2年ほど受付とレセプトをしていて、随分と慣れてきた頃に担当というものに付きました。
うちの病院は、15名ほどの医療事務の職員がおり各自担当部門を持っています。
例えば生活保護担当や労災担当、交通事故などです。
私は生活保護の担当を先輩と一緒にすることになりました。
これは、例えば入院患者様で生活保護を受けていないけれど、生活も困窮しているしこの度病気になって今回の入院費の工面も出来そうにないなどと言ったシチュエーションの場合に、役所とその患者様との橋渡しをしてあげるような業務です。
最初この業務の担当になると決まった時に、こんな仕事まで医療事務なんだなとビックリしました。
私はてっきり医療事務というと単にずっと計算ばかりをしていて、患者様と接触するような機会はそうめったにあるものではないと思っていたからです。

 

生活保護の担当になって気づいたことは、高齢の人の貧富の差が本当に激しいということ。
高齢でありながらも所得がかなりある人は、医療費の負担も大きいですし、入院時も自らが選んで個室でお部屋代が1日2万円という方もいます。
一方、入院になってみて初めてお金どうしようと困る人も居るのです。
病院としては、入院治療費をとりっぱぐれる訳には行きませんので、ケースワーカーのスタッフとともに生活保護を取れるように手配します。
経済状況から十分生活保護の対象である人でも、恥ずかしいという思いから申請せずにここまで来たという人も大勢います。
その人たちに、今回病気になったことを機に生活保護を受給することが出来て有りがたいと感謝されることも多いのです。

 

そして1年前から、今度は病棟の計算業務で入院費の計算をすることになりました。
デスクは病棟のナースステーションの中にあり、1日の仕事時間の半分以上はそこでの作業になります。
入院担当になって大変だなと感じることは、急に退院が決まった時です。
退院は予定退院といって前日から既に決まっているものと、緊急退院といってその日に決まる退院があります。
一番緊迫するのは、急きょ別の病院に転院することになった時です。
例えば病状が悪化して、当院で対応できないとなるともっと大きな病院に転院して手術や入院加療を継続することになりますが、その場合大概ものすごく急いでいるのです。
だから、計算もいつも以上に急いでかつ間違えの無いように、そして色々お渡しするものの忘れ物が無いようにと気を配らなければいけないのです。
転院時は、当院で撮ったレントゲン写真のCD-Rのデータや診療情報提供書といういわゆる紹介状を持って行っていただくことが殆どです。
その有無によっても入院費が異なってきます。
あとは処方が有るかどうか、一旦出た退院処方に追加で湿布や眠剤が無いかどうかなど、事細かく看護師さんと連携を取ります。
転院して遠い病院に行ってしまった後に、渡し忘れや入院費のもらい損ね、頂きすぎたなどがあっては大変だからです。

 

このように、最初資格を取るためにスクールに行っていたときには考えもしなかったような、人間ドラマのようなものが実際の病院では繰り広げられています。
亡くなる患者様もおられます。
元気で笑顔で帰っていかれる患者様もおられます。
ひとくくりに計算業務ですとは言えないような深みが医療事務の仕事にはあって、ようやく私が見つけた天職という感じがしている今日この頃です。

 

最近では趣味を楽しむ時間も持てるようになってきて、前から興味があったベリーダンスを始めました。
まだ始めて半年ほどで満足に踊れるレベルではないですけど、彼氏からはスタイルが良くなったと褒められて嬉しいです。
ベリーダンスをしている人って、ほんとに皆さんスタイルが良くて、腰のくびれは芸術的に感じてしまうほどなんですよね。
私も少しでもそんなスタイルに近づけているのかなと思うと、ますますやる気がアップしちゃいます。
月謝は1万円と安くはないですけど、良い運動になるし、スタイルも良くなるしで満足してます。
ダイエットしたい人は、ジムに通って辛い運動をするよりもベリーダンスで楽しみながら痩せられる方が長続きするでしょうし、おすすめですよー。